「相続人に未成年の子供がいるなら特別代理人を選任してください!」と預金解約の窓口で言われた時に知っておくべきこと

相続人の1人が未成年のときは特別代理人が必要です


こんにちは。我孫子市で相続を専門にしている司法書士の関です。

相続人の一人が未成年の場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。
特別代理人は未成年者の代わりに遺産分割協議に参加するため、必然的に裁判所の意見を反映させた名義変更となります。

具体的に裁判所が関与した名義変更となると何が面倒かというと、

未成年者の相続分を法定相続分以下にできません・・・

例えば、

夫が死亡して妻と未成年者の子供が1人いる場合は、子供の取分は半分以上となる名義変更が必要です。遺産として不動産しかなければ2分の1ずつの共有名義となり、預金と不動産なら不動産を金銭に換算してその合計の半分は未成年者が相続する案でないと裁判所はOKしてくれません。

司法書士
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不動産を金銭に換算する際の基準

①公示価格、②固定資産評価額、③路線価、④市場流通価格(不動産屋の査定)、⑤不動産鑑定士の鑑定評価

一般的には②の証明として役所の発行する固定資産評価証明書を参考資料として裁判所に遺産分割協議書案と一緒に提出する方法となります。しかし、遺産分割調停のように紛争が前提であれば最低でも②④が必要です。もし、②④の評価に開きがある場合は⑤も必要でしょう。

特別代理人が必要となるケース


特別代理人が必要なケースは単に子供が未成年のときだけはありません。子が死亡しているため、孫が相続人になるケースもあります。

特別代理人が必要となるケースで注意すべきは、未成年者1人に対して1人の特別代理人が必要という点にあります。具体的には以下のように未成年者の人数分だけ必要です。

  • 未成年者1人のケースでは、未成年者1人に対して1人の特別代理人
  • 未成年者2人のケースでは、未成年者2人に対して2人の特別代理人
  • 未成年者3人のケースでは、未成年者3人に対して3人の特別代理人

上記には故人に子がいないため妻と故人の兄弟姉妹が相続人のケースで、兄弟姉妹がすでに死亡しているため未成年者の甥姪が相続人になるケースも含まれます。

司法書士
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甥姪も死亡している場合の甥姪孫は相続人ではありません。

兄弟姉妹が死亡しているため甥姪が相続人となるケースを代襲相続(だいしゅう)といいますが、甥姪が代襲相続できるのは1代だけです。

一方、直系のお孫さんが相続人となる代襲相続では、2代、3代、、、と何代下でも相続人となります。

特別代理人が必要となる理由


特別代理人が必要な理由は、遺産分割の協議で未成年者に不利な協議をさせないためです。

では、

未成年者を保護するためなら、未成年者がすべて相続する案ならいらないの?


答えは「ノー」です。

一律に、協議内容がどうであれ、未成年者が協議に参加することは未成年者にとって不利益と考えられています。


未成年者に有利な協議書なら家裁の関与が不要だとすると、協議書内容が問題ないかの判断を銀行や法務局などがしなくてはなりません。


将来的にAIが自動的に判断できるかもしれませんが、窓口担当者の裁量だと現場が混乱してしまいます。同じ協議書なのに、名義変更できる窓口とできない窓口がでてきてしまいます。

また、裁判所が関与しないで遺産分割をすると、18歳の未成年者だった相続人が20歳になったときに、

「遺産分割協議は親が勝手にやったから無効だ!」「自分の相続分は自分に支払え!」

みたいに主張して銀行も困ってしまうかもしれません。


世の中にはいろいろな人がいるので、子供にとって不幸なことをするはずがないと考えるのが人情です。ただ、子供にとって幸福とは?の考え方はそれぞれの家庭ごとに違って当たり前だと思います。


結果として未成年者にとって利益のある協議内容であったとしても、それはあくまでも結果オーライの話です。

振り込め詐欺などの被害は被害者がだまされたお金を取り戻すことがほぼ不可能です。そのため、 そもそもだまされないようにする予防策に力をいれるのが一番効率的です。

同様に遺産分割をする前に、一律裁判所のチェックをいれるのが一番効率的なのでしょうね。

未成年者がいるときは絶対必要なの?


相続人に未成年者がいるときでも例外的に特別代理人の選任を回避する方法はあります。

  • 例外1.遺言書があるとき
  • 例外2.親が相続放棄をする
  • 例外3.子供が二十歳になるまで待つ

上記例外を一つ1つ検討してみましょう。

例外1.遺言があるとき


遺言書で全財産を妻が相続すると記載しておけば、遺産分割協議は不要です。

未成年者の取分が全くなくても遺言書どおりの名義変更ができます。

将来的に未成年者が20歳になった時に、遺留分減殺請求は法律上可能なときもありますが、、、

そうならないようにお子様と仲良くしてくださいとしかいいようがありません。


ただし、そもそも、遺言は相続開始前に準備が必要です。

一般的に、未成年者の相続人がいるケースでは故人となった親も若いので以下の例外2か例外3が現実的ではないでしょうか?

例外2.親が相続放棄をする


親が相続放棄するというのは、遺産分割協議で未成年者がすべてを相続するという内容にするという意味ではあません。

ここでの相続放棄とは3ヶ月以内に裁判所に放棄の申立てするという意味です。

妻が相続放棄することで、妻は故人である夫の相続人ではなくなります。


つまり、そもそも妻は遺産分割協議に参加することができなくなるので、結果として未成年者の子供一人が相続人となれば遺産分割協議は不要で名義変更が可能です。

この場合は、放棄した親が子供の代わりに銀行や法務局で手続きを代理しても良いのです。

なぜなら、相続放棄の効果は、夫が死亡したケースでは妻は夫の相続人でなくなるだけで、子供の母である点に変わりないからです。

ただし、注意点もあります。それは、、、

この方法は相続人の未成年者がもともと1人のときしか使えません。


仮に妻と未成年者2人がいるケースでは、妻と未成年者の1人だけが相続放棄をすることができません。

複数いる未成年者の1人だけの放棄には放棄する未成年者に、放棄するための特別代理人が必要となってしまうからです。

なお、相続人が妻・子2人でも、子供の1人が未成年者でないときは、妻と未成年者以外の子で放棄する方法はありです。

例外3.子供が二十歳になるまで待つ


子供があと数年で20歳になるのであれば、それまで待って遺産分割協議をする方法もあります。

相続財産ではない、死亡退職金遺族年金、生命保険金などは遺産分割をしなくても支給されます。

ですから、あわてる必要はないかもしれません。


不動産の名義変更(相続登記)などは、遺産分割がまとまっていてもしない人は大勢います。
銀行口座も死亡届けをださない限り、通常は凍結されないはずです。

ただ、法律上は相続発生後は届出義務があって、遺産分割協議がまとまっていないのに、預金を引き出すことは問題があります。

ですから、数年間は、亡き夫の口座からお金を引き出さなくてもやっていける場合のみの選択肢でしょう。

まとめ


今回は、相続人に未成年者がいる場合の手続きについてのお話でした。

相続の手続きは一般的に名義変更についてフォーカスされがちです。

しかし、実務上の名義変更では、戸籍収集や物件調査、財産目録作成、遺産分割協議書作成など、名義変更する前の必要書類の収集・準備がもっとも大変な作業となります。


ただ、そういっても銀行窓口などの名義変更でも慣れていないと苦労する可能性はあります。

たとえば、遺言書があるのに、銀行窓口で相続人全員の署名と実印押印、印鑑証明書もセットで要求されることがあります。

銀行窓口の担当者は社内のマニュアルに従って要求していますので悪気はありませんが、 これだと何のために遺言書を用意したのか意味が分かりません。


こんなとき、ご自分で法律上のルールや、遺言書の趣旨を説明できないと担当者を納得させることが難しいため、言われた通り相続人全員から印鑑をもらいにいくはめになりかねません。

司法書士
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預金解約では、遺言書を持参しても相続人全員の印鑑を要求されるのが一般的です。
これは自筆証書遺言で、遺言執行者が指定されていない場合に顕著です。

せっかく遺言書を作るのなら、公正証書で遺言執行者のセットで準備しましょう。



預金の相続手続きでも相手は常に人間ですから、同じ書類を持参しても相手の対応が変わってくることもあります。


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