離婚しても子供は相続人になれるの??連れ子を養子にした場合と氏の関係について説明します

再婚相手の父は法律上のお父さんなの?


相続専門の司法書士の関です。

母が再婚しても、子にとっての父は変わりません。(母の親権は関係ありません)


つまり、法律上は再婚相手と連れ子の関係は、単に一緒に住んでいるだけの他人であり、子の氏は再婚前のままです。当然ですが、子にとって再婚相手の男性が死亡しても相続人とはなりません。


ただ、連れ子が未成年者であれば、親と子の氏が違うことでいろいろと不自由すると思います。

通常は、再婚相手と養子縁組をして子の氏も同一にするかもしれません。


連れ子が再婚相手の男性と養子縁組をすると新しく父の嫡出子の身分を取得します。

この場合、子は母の再婚相手が死亡したときも相続人になります。

参考:養子縁組した子の相続分は実子と同じなの?


上記の養子縁組についての解説はすべて普通養子縁組を前提としてお話をしています。

ただし、知識として普通養子縁組の他に、特別養子縁組というものがあることを知っておいたほうがいいと思います。

養子縁組の種類

普通養子縁組


普通養子縁組では、実親との親族関係は縁組しても存続するため、養親の方が養子より年長で養親が二十歳以上等の、一般常識のある人が聞けば当たり前のような条件だけです。

ただし、養子が未成年者となるときは原則、家裁の許可が必要となります。

しかし、孫や連れ子を養子にするような場合は許可不要ですから、手続き的にはかなり簡単で相続税対策でもよく利用されます。

司法書士
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親から見て子や孫は直系卑属(ちょっけいひぞく)といいます。

未成年者を養子とする場合は、原則家裁の許可が必要です。

ただし、例外として自己又は配偶者の直系卑属(子や孫等)を養子とする場合は不要とされています。


つまり、孫を養子にする場合や、連れ子を養子にする場合は、いずれも例外事由にあてはまるため、家裁の許可が不要となるわけです。


※例外の例外として、配偶者が外国人のため連れ子も外国人となる場合等は、家裁の許可が必要となる可能性もあります。

特別養子縁組


特別養子縁組では、実親との親族関係は終了してしまうため条件はかなり限定されます。

親族関係の終了とは、血がつながっていても、法律上はまったくの他人となるという意味です。

特別養子となった子の戸籍謄本には「第817条の2による裁判確定」と記載され父母の欄は養親が記載されるだけで、一般の人が見ても全く実子と区別がつかないと思います。

基本的にこれ以外の情報からは特別養子縁組をしたということはわかりません。

特別養子縁組は「子の福祉の増進を図るため」、養子となるお子さんの「実親との法的な親子関係を解消」させることが目的だからです。


そのため、特別養子縁組の申立は、虐待をうけているような特別の事情が前提条件で家裁の審判も必ず必要となります。


通常、戸籍謄本の請求は直系血族間では、委任状はいりません。(直系血族とは家系図上の上下(縦)の関係)

そのため、実親であれば委任状なしで、子が結婚して除籍され新たに戸籍を編成した後でも請求できます。

しかし、特別養子縁組をすることで、親族関係が終了するため、生物学上は直系血族でも、委任状がないと請求することができなくなります。

もし、戸籍を請求することができてしまうと、戸籍の附票もセットで請求することで住所の調査ができてしまいます。

司法書士
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戸籍の附票とは、本籍地の変更がない限り、日本全国どこへ住所の変更してもその住所の遍歴がすべて表示されます。

不動産の名義変更では、登記簿上の住所と故人の亡くなった時の住所が違う時が多く、戸籍の附票は必ずと言っていいほど確認する情報です。

※法務局では、登記簿上の「住所と氏名」で本人のデータを照合しています。そのため、氏名が一致していても住所が違うときは、別人格と判断されます。



また、同様に特別養子縁組をした子のほうからも、実親を探すために戸籍請求ができないという意味でもあります。

実親からの調査ができなくなるというのは、特別養子縁組の趣旨から当然かもしれませんが、将来的に養子から実親の調査ができないというのは少しかわいそうな気もしますが、どうなのでしょう。


その他の申立て条件には、申立て時に6歳未満、例外的に6歳未満から養親候補者が養育していた場合でも8歳未満という条件もあります 。


※令和2年4月1日施行で養子候補者の上限年齢の引上げとなります。今後は原則15歳未満として、やむを得ない事由等の場合は15歳以上も申立て可となります。



前記の通り、連れ子の母は再婚しても、再婚相手の夫と子の関係では単に一緒に住んでいるだけの他人であり、子の氏は再婚前のままです。

氏に関するルールは、婚姻や離婚、縁組や離縁と深くかかわっていてとても複雑です。

上記の養子縁組の理解を深めるために、氏についての簡単な横断整理をしておきたいと思います。

氏に関するルール


離婚すると自動的に婚姻前の氏に戻りますが、3ヵ月以内に届出をすれば婚姻時の氏をそのまま使用できます。

このとき、戸籍上は親権者がどちらとなっても未成年の戸籍に変動はありません。


仮に、山田一郎さんと鈴木花子さんが結婚して山田の氏となった場合、生まれてくる子の氏も山田です。


そして、離婚することで花子さんは鈴木の氏に自動的に戻りますが、親権者が山田さんであっても鈴木さんであっても子の氏は山田のままです。


このとき、花子さんが子の親権者となって、子の氏も鈴木としたい場合は、家裁の許可が必要となります。


少しややこしいなのですが、花子さんが離婚したときに、親の戸籍に復籍したときは、花子さんの子は鈴木の氏とする家裁の許可を取っていても、子と一緒に花子さんの親の戸籍に入ることができません。

花子さんが子を自分の戸籍に入れたいときは、花子さんの親の戸籍に復籍するのではなく、役所窓口で、新戸籍編成の申出をしておく必要があります。つまり、花子さんを筆頭者とする戸籍を編成してもらうのです。


なお、上記の母の氏とする裁判所の許可は、花子さんが再婚して新たに夫の氏、もしくは鈴木の氏を選択すると、「婚姻中の子の氏の変更」として例外的に家裁の許可が不要となります。


ただし、養子縁組をすることで養子は養親の氏に変更するため、再婚する場合は氏だけの変更届をすることはあまりないかもしれません。


子の氏の変更で家裁の許可が必要なのは、シングルマザーとなる場合です。

ただ、家裁の許可を避けたいからといって、 離婚してすぐ再婚する人はあまりいないと思います。

司法書士
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旧民法では、女性が離婚後6ヵ月間の再婚の届出は受理されませんでした。理由は、離婚してすぐに結婚して、子供が生まれたときに、父親が前夫か再婚後の夫かがはっきりしないからです。

しかし、法改正により、平成28年6月7日以降の婚姻の届出では、婚姻解消後100日を経過していれば一律受理されるようになりました。また、産婦人科医の証明書(民法第733条第2項に該当する旨の証明書)をつけることを条件として100日以内の婚姻届けも受理されるようになりました。

なお、この方法で結婚すると戸籍には妻の身分事項欄に「民法第733条第2項による婚姻」と記載されます。


もし、シングルマザーとなるけど、子の氏の変更で家裁の許可を避けたいのなら、以下の方法があります。


① 離婚の際に婚姻時の氏(元夫の氏)を使用する届出を一緒にして復氏しない方法
② 再婚するまでは子の氏を旧姓のままとして、再婚後に夫に連れ子を養子縁組してもらう方法

③ 再婚するまでは子の氏を旧姓のままとして、再婚後に氏を再婚相手のものに許可不要で届ける方法


すぐに再婚することを予定していない場合は①となりますが、数年以内に再婚する可能性があるなら②か③でもいいかもしれません。

(まとめ)養親と実親がいると2人の父の相続人となるの?


今回は「再婚相手の父は法律上のお父さんなの?」という連れ子の目線からの疑問についてのお話でした。


最後に再婚した後に連れ子と養子縁組をすることで法定相続人が誰になるかについてQ&Aの形でまとめてみたいと思います。

Q.養子にとっては、養親と実親の父がふたり存在する場合、いずれの父の相続でも相続人となるのでしょうか?

A. なります。
ただし、 特別養子縁組では、実親との親族関係が終了していますので、養親のみの相続人となります。


Q.養子が独身のまま養親より先に死亡したときは、誰が相続人になるのでしょうか。

A.養親と実親が相続人です。
ただし、こちらも 特別養子縁組では、実親との親族関係が終了していますので、養親のみが相続人となります。



(縁組による親族関係の発生)
民法727条
養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。


(実方との親族関係の終了)
第817条の9
養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。


※養子の実親と養親との血族間には親族関係は生じません。
(養子の生みの親と養親の元々の血族間との間柄では縁組前後を通じて無関係です。)


身分上(親族関係)の変化と氏の変化が必ずしも一致しない点がややこしいですね。


なお、親が自分の未成年者の子(孫)を養子縁組しているような場合は、相続手続きが大変です。

参考:「相続人に未成年の子供がいるなら特別代理人を選任してください!」と預金解約の窓口で言われた時に知っておくべきこと


また、再婚前の子を養子縁組し養親が死亡したときは、養子の実親側の血族は相続人とはなりませんが、実子の相続分を多くするために、アドバイスをすることで遺産分割がもめる可能性もでてきます。

似たようなケースでは、長男の妻は相続人ではなくても、長男が遺産分割協議書に押印する前に、妻と相談することが揉める原因となっています。


再婚後の連れ後の氏を両親と同一にするために養子縁組をすることや、相続税対策として単に基礎控除額がアップするからという理由で養子縁組をしたりすると、相続開始前に養子と仲たがいすることで相続対策のつもりが、紛争の火種を増やすことになりかねません。

特に共に再婚同士で、共に子がいる場合の養子縁組や、連れ子が2人いるときに年少の子のみを養子にしたりすると権利関係が複雑になります。

故人の相続人に、養子縁組した兄弟姉妹がいる場合は戸籍をみても判断できないかもしれません。

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